この中で、素材について書かれた項があります。
《画一的な工業素材のみで考えない》
復興の過程では、時間的な制約から、入手が容易な規格化された既製品が多用されることも想定されるが、住宅建設に地元の木材を用いるなど、地場素材、とりわけ自然素材を積極的に活用することにより、地域に馴染んだ、柔らかい統一感をもった街並み形成を図ることができる。こうした方向性を早めに打ちだし、緩やかなルール化を図ることも効果的である。
また、こうした取組は、統一感のある親しみやすい街並み形成のほか、地元人材の活用や地場産業の維持・活性化の観点からも効果が期待できる。
つ い最近、戦後の住宅の変遷と画一化・西洋化などの要因について、建築家の方のお話を聞く機会がありました。建築家・建材だけの問題ではなく、土地利用や物流など様々な問題が複雑に絡み合ってこうなっていること、そうしたことを最近は『(明確な一つの要因によるものではなく)なってしまった景観』とも耳にしますが、改めてその事実を突きつけられたように感じました。
眼前の風景を既にあるものとして、当たり前に受 け入れてきたことが、時々ひどく理不尽で、やるせない気持ちになることがあります。が、今ではその根本の要因を解き明かし、改善策を編み出すこと無くして、景観というテーマに取り組むことはもはや不可能だと考えています。
地場の素材を用い、産業の支援につなげる。さらにはそうした様々な取り組みを発信したり、観光まちづくりにつなげていく…等々。
様々なアイデアを具現化するために、いくつものアクションを起こし場と状況を繋いでいかなくてはなりませんが、そのためには既にある資源(人の活動も含め)を丁寧に慎重に見極め、引き継ぐべきものを抽出できるチカラ、が必要とされるのであろうと思っています。
デザインという名のもとに、一人よがりな足し算をしないこと。
自身の専門性が、何に役立つのか・役立ててもらえるのか…。考える毎日です。
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